• テキストサイズ

~セーラー服と銀八先生~ 銀魂3Z沿い小説

第14章 【第十講】間近な動物のにおいはかなり強烈


「逃げろ、委員長!」

 土方が叫ぶ。
 だが、逃げようとした近藤は転倒。トラに追い詰められ、逃げ場を失った。

「トラを挑発するんだ」

 どうにか、トラを近藤から遠ざけなければと、土方は沖田に声をかける。
 だが、その言葉を聞くまでもなく、○○は矢を射ていた。
 矢はトラの眼前、近藤との間を抜けていった。

「こっちだ! トラ!!」

 指が痛いが、そんなことは気にしていられない。
 四射、五射と放つと、トラの視線は近藤から○○の方へと完全に向き直った。

「いけない。もう矢がない」
「いや、あれくらい距離があれば逃げられる。近藤さん、今のうちに逃げろ!」
「ダ、ダメだ……。足に力が入らねェ……」

 どうにか上半身を起こした近藤だったが、足が竦んでしまい立ち上がれない。

「仕方ねェ、このまま俺達でトラを引きつけるぞ……」

 危険だが、近藤が逃げられない今、自分達がおとりになるしかない。
 そう思ったが、土方はある方法を思いついた。

「総悟、あの生肉のネックレス投げろ!」

 団子は切らしてしまったが、まだ、トラに与えられる食糧があった。
 トラが生肉にがっついている間に、近藤を救出して逃げおおせることが出来るはず。
 だが、沖田に任せたことが誤りだった。
/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp