第14章 【第十講】間近な動物のにおいはかなり強烈
「3Z……?」
無機質な機械音に続いて聞こえてきたのは、特徴がありまくるハタ校長の声だった。
――え、入ってんの? これもう、入ってんの?
コンコンコンとマイクを叩く音が響いた後、厳粛なハタ校長の言葉が続く。
「えー、校長のハタじゃ。生徒諸君。気づいている者も多いと思うが、今、銀魂高校敷地内には動物達が放たれておる」
その放送は、ゴリラやトラが校舎内を闊歩する理由を告げた。
今朝、飼育小屋から学校内で飼われていた多くの動物が逃げ出してしまった。中には危険生物もいる。
今、動物を捕獲するために十数人が動いているという。
「というわけじゃ、生徒諸君は決して教室から出ないように。以上」
そうして放送は終わ、らなかった。
――3Zの生徒以外、はな。原因が3Zって言わない余の優しさに感謝しろってんだ。
――え? まだマイク入ってんの? お前、さっきからわざとだ――
ブチっと、放送は途切れた。
余の優しさは、教頭の杜撰なマイク管理で水泡と化した。