第13章 【第九講】どんな映画にも一箇所くらい見所はあるよね。ない?
「理事長からの話は地の文を読め」
本日、銀魂高校では某映画の撮影が行われることになっていた。
だが、主役である二人が共に病気で撮影に来られなくなり、急遽、代役を立てることになった。
経緯は不明だが、その二人を3Zの生徒から選出することになった。
選ぶのは主役の二人、男子一名、女子一名。
「つーわけで、緊急オーディションだ」
「説明が面倒だからって、地の文で説明した風にしないで下さい! 小説をなんだと思ってるんですか!」
新八は立ち上がってツッコミを入れるが、銀八の反応は薄い。
「もう小説版も四冊目だぞ。今さらそんなツッコミはいらねーんだよ、新八。飽きてんだよ」
「何、僕が悪いの? 真っ当なのは僕だけ?」
クラスメイト達に冷めた視線を向けられ、新八は静々と腰を下ろす。
「早速だが、講堂に移動すんぞ」
銀八の言葉で、生徒達は一斉に立ち上がる。
軍隊のような機敏な動きで、3Zの生徒達は廊下へと向かった。
「何!? 僕、イジメられてるの!?」
着席したばかりですぐに動けなかった新八だけが取り残された。