第12章 【第八講】発売から随分経ってるから(略)作品がわからない
「つーか、一番場所を取ってるのがジャンプって、こいつは学校に何しに来てんだよ」
プリプリと、ハタは頬を膨らませて怒っている。
無論、やっぱり可愛くはない。
「君はジャンプ整理の前に、自分のクラスの大掃除に行くべきじゃろうが」
ハタは嘆息する。
「君のクラスの生徒は信用ならん。皆がきちんと掃除をしているか、監督するのが君の役目じゃろ」
「そんなら、俺は○○を監督するのが役目なんで」
「君の生徒は□□君だけじゃないじゃろ。全生徒、平等に扱いたまえ」
「んなこと言ってもねー、可愛い生徒、可愛くない生徒がいるのは当たり前でしょ。人間なんだから」
「可愛い、可愛くねえじゃねーんだよ! 君はまず、教師の倫理を学ぼうね!」
しゃあねェ、と銀八は腰を浮かせた。
「校長達がちゃんと掃除してるか、○○が監督しといてくれよ」
「承知です」
校長に促され、銀八は職員室を出て行った。
「全く。あやつは……。□□君、ここは頼んだぞよ」
「うぃーっす」
ジャンプから目を離すことなく、○○は返答する。
態度の悪い返事に怒りマークを浮かべつつ、ハタは何も言わずに校長室へと戻った。
成績優秀、さらには剣道部をレベルアップさせた○○を相手に、校長は強く出られない。
不良に厳しく、秀才に優しい。学園ドラマにおける敵役教師をひたすら往くハタ校長である。