第9章 宮侑
「なぁツム」
「んー?なんやサム」
「ほんまに付き合っとるん?」
「おん。なんでや?」
「付き合う前とあんまし変わってないやん、デートもしてへんし」
「一緒には帰っとるで」
「そんなん前からやん」
治に言われてハッとした
「今度の休みデート誘ってみるわ!!!」
スマホを操作しゆいなに連絡をする
「なぁ」
「なんやツム」
「既読ついたんやけど返事ないわ…どういうことや!?」
「知らんわ、電話かけてみたらええやん」
「それや!!」
電話をかけると
「はい、もしもし」
「ゆいな!俺や!」
「うん、どうしたの?」
「なんで返事くれへんの??」
「あ、うーん…あのね、うーん」
「な、なんか不満なんか?」
「そうじゃなくて…うーん」
「なんでも言ってや!」
「……テスト前に遊んでも平気なの??大丈夫?」
「テスト?」
「うん、2日後にテストだよ。侑大丈夫なの?」
「1日くらい平気やろ!」
「でも…あ、一緒に勉強…って侑は勉強しても楽しくないよね」
「今赤羽くんと比べたやろ」
「ごめん…名門だし進学校ってこともあって勉強するのが日常だったし…ごめんね…そういうつもりはなかったんだけど…」
「ええよ、気にせんとって。ならテスト終わってからデートしようや」
「うん、じゃあテスト頑張ってね」
「まだやけどな」
「治にもちゃんと勉強するように言っておいて」
電話が切れるとガッツポーズを見せた侑に引き気味の治
「なぁサム!!赤羽くんよりもええデートするにはどうしたらええと思う!?」
「そんなん知らんわ、赤羽くんに聞いたらええやん」
「赤羽くんとあんまり話してないねん。それにまだ返事言ってないらしいんや」
「え、なんでや?」
「直接聞きたいから会ったときでええって言われとるんやって」
「ほーん赤羽くんはすごいなぁ」
「なにがや?」
「やって会う口実作っとるやんか」
またまた治に言われてハッとする侑
「でもゆいなは俺の彼女やし!!」
「どうやろなぁ、赤羽くんはハイスペックやんか」
「俺も負けてへん!!」
「勉強できひんけどな」
「それはお前とやろが」
いつも通りの喧嘩が始まるまであと数秒