第9章 宮侑
治side
「追いかけろや」
「無理やって」
「なんでや!!ゆいなのこと好きやないのか!!」
「好きやけどアイツは俺が嫌いやねん!!」
俺はツムの胸ぐらを掴んで殴った
「このクソブタサム!」
「ええ!よく聞けや!ゆいなは“否定されるのも、認めてもらえないのも全部怖い、自信がない”って言うとったわ!お前と付き合われへんのは小鳥遊達がかけた呪いのせいやろ!!今ここでお前が追いかけんかったら一生このままやぞ!!」
ツムは初めて聞いたのか目を見開いていた
「今しかチャンスないやろ!!なんでそこでへこたれんねん!!ツムじゃないとゆいなはあかんねん!!行かへんのなら俺に譲れや!!このクソツム!!」
「譲わけないやろ!!サムに言われんでもわかっとるわ!!………ありがとうな」
ボソッとツムはつぶやいて俺を押しのけてゆいなの後を追った
本当は内心2人が付き合わんことに少し安心しとった
でもいざこう背中を押すと
「辛いなぁ」
「治、よぉ言ってくれたわ、ほんまありがとうな」
ほんまにこれでよかったんや
わかっとるけど
辛いなぁ
「今日はアイス奢ったる!」
「俺も仕方ないから奢ってあげるからそんな顔しないでよ」
でも俺もええ仲間をもったんやな
「おう!ありがとうな!」