第9章 宮侑
私はちゃんと包み隠さず話した
「私の本当の父親は亡くなってるんです。物心つく前に。それから母は色んな人と結婚離婚を繰り返していました。
母の男の見る目は皆無で暴力を振るう男、言葉の暴力を浴びせる男ばかりでした。その中の1人が小鳥遊です。私は幼い頃からそういう人ばかり見てきたので感情を押し殺して生きてきました。父親たちの機嫌を損ねないようにしていれば私を守ることができるから身を守るために自ら塞ぎ込みました。暴力振るわれても泣かないし誰にも助けを求めません。求めるつもりもなかった…そんな私はロボットとか機械って言われるようになりました、それでもいいです。身を守れるならそれでよかったそんな私を変えたのはカルマです……カルマのこと覚えてますか?」
「ゆいなの元カレやろ?」
「はい、彼と付き合って私は少しずつ人間らしさを取り戻しました。機械って言われることも無くなりました。ただその時の父親が小鳥遊でした。小鳥遊は私に言葉の暴力を浴びせました。母には手をあげていました。そのうち自信がなくなって、カルマと付き合っていたらダメな気がして私はカルマを振りました。私がカルマと別れたのは小鳥遊が原因です。カルマと別れてからはまた機械とかロボットって言われるようになりました。私は小鳥遊の操り人形みたいなものでした」
小鳥遊のせいだけじゃない
私が弱かったからこうなった
「それでも今の私になれたのは3年E組っていう暗殺教室で1年間過ごしたからです。標的の超生物は私にたくさんのことを教えてくれました。さっききた2人も今は国の人ですけど少し前は私達と一緒に標的を狙った暗殺者で私達の先生です。ひとりでなんとか生きてきた私に誰かに助けを求めること、仲間がいることを教えてくれました。それが今の私を作り出しました
まだ当時の記憶のせいで自分に自信がなくて前に進めないこともありますけどね」
「そうか……話してくれてありがとうな」
「やめろとか言わないんですか?私が迷惑かけたのに…」
「悪いんは小鳥遊監督やろ、ゆいなは俺らを守ってくれたんや、むしろ感謝しかないわ、とりあえず今日はもう帰って病院に行きや」
私は深々頭を下げた
「仮にも小鳥遊は私の父親でした。本当に申し訳ございません」
「もうええから。謝らんとって」
「はい…では失礼します」
私は体育館を出た
