第9章 宮侑
そのまま土曜日がやってきた
「「おはようございます」」
「はよー。今日から2日間よろしくな、ちょーっと厳しくなるけどついてこいよ!ついてこれたら必ず強くなれる」
「「はい!!」」
小鳥遊にメニューも全部取られた私はスポドリを作ったり
ユニフォームや汚れたタオルなどの洗濯
お昼作りだけで
普段の仕事をとられたことに少し不満が残る
チラチラとみんな様子を見るけど
みんなやる気に満ち溢れていて
やっぱりプロだった人には敵わないことを痛感させられた
「昼休憩にするぞー」
みんなお昼休憩中も小鳥遊の周りに集まっていろんな話をしていた
「ゆいなと親子だったってほんまですか?!」
「おう、ゆいなの元父親だ。な!ゆいな」
「…うん」
「ええなぁ小鳥遊監督と親子なんて」
「夢やんな!!」
やめたほうがいい、こんなやつ…
「ゆいなはどんな子やったんですか?」
「ゆいなは俺のこと好きだったよなぁ…ほんと言うこともよく聞くしいい子だったけど、たまにポンコツの時もあったよな〜」
好き?何言ってるのこの人…ありえない
「お前が俺のこと今はどう思ってるかわからないけどな、俺はほんとうに会いたかったよ。元気そうで安心したわ、ゆいな」
何言ってんの?私のこと嫌いだったくせに
そんな思いを隠して笑った
機嫌を損ねないように
午後からは時間が余ってしまったので練習風景を見ていた
徐々に違和感を覚えた
なんかみんな疲れてる
「すみません、小鳥遊監督、休憩取ってもらえませんか?」
「そんなの必要ない。人は限界の時こそ力を出す」
「これじゃみんなが危ないです!倒れてほしくないです!体調管理も大事なことなんです!」
「チッしょーがねーな」
コイツの本性がポロポロ出てきていた
鬼のようなコイツの本性が見えてきたはずだ
私が止めないと、みんなが死んじゃう
「…ほんと生意気だな」
ボソッと小さな声で呟かれたけど無視をした
なんと言われようが体調が第一だから