第9章 宮侑
貴方side
「好きや、本気やで?なんで両想いなのに付き合うってくれへんの?」
「もう帰る時間でしょ、帰りなよ」
「ゆいなやって帰ってないやんか」
「私はまだやることあるの」
「待っとるから帰ろうや。ちゃんと話さへん?」
「何も話すことないよ、はやく帰りなよ治たち待ってるよ」
「先帰ったわ、俺はゆいなと2人で帰んねん。1人とか危ないやん」
優しくしないで
私は侑に酷いことしてるのに
きっと今私はひどい顔してる
「ゆいな、なんか言ってや」
侑は私の肩をグイッと引っ張る
パチッと目が合うと
侑の顔が一気に近づいてくる
そのまま止まることもなく
私の唇に触れた
チュ…
「あ…つむ……」
「す、すまん!!わ、わざとやなくて!!勝手に動いたんや!!」
今…キス、されたんだよね…?
「なんで…」
「好きやから、止まらんくなった。好きやから、俺ゆいなが好きやもん、触れたいって思うしそばに居たくなるんや」
わかるよ、その気持ち
だから私も侑に触れたくなる
でもそんなことしたら侑に期待させてしまう
私は侑の思う彼女にはなれない気がした
だから、だから
「なんで…泣いてるんや…?」
泣いてしまう