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あなたなら誰を選びますか

第5章 馴れ初め


「あ、またつまんない顔してる」

「赤羽くん、、」

「久しぶりに会いに来たのに何その顔」

「……はぁほんとばか」

「寂しかった?」

「…べつに」

「俺は寂しかったよ」

「え」

「ねぇ西野ちゃん、好きだよ。俺と付き合ってほしい」

「……そんなの…私も…だよ……赤羽くんのそばにいたい」

「うん、俺のそばにいて」

ぎゅっと抱きしめると彼女は初めて抱きしめ返してくれた

「俺が毎日楽しませてあげる」

「うん」

付き合ってからなにか変わったことといえば

「ゆいな」

「カルマ」

名前呼びに変わったことと

ゆいなはどんどん明るくなってよく笑うようになった

はにかみながら

「すき」

「俺のが好きだよ」

なんて言ってくれる姿が愛おしかった

俺はその分たくさん抱きしめた

「明るくなったねゆいな」

「嫌?」

「ううんそっちのがいいよ。かわいい」

「ふふ嬉しい」

「ゆいな、目瞑って」

「え、あ、うん」

俺は彼女の唇にそっと触れた

少しずつ目を開けると

彼女は驚いた顔をしてすぐに顔を真っ赤にさせた

「かわいい」

「うぅ…恥ずかしい」

とか言って俺のことを離すことはなかった

むしろ俺の胸板に顔を疼くめていたし

「これからはあんまりしないように気をつけるよ」

そう言って頭を撫でると

上目遣いで

「…たまに…なら……いいよ…」

俺は彼女を力一杯抱きしめた

「ほんと敵わないわ」

幸せな日々を過ごしていたはずだった

ゆいなは少しずつ元気がなくなっていった

初めは気のせいだと思っていつも通りに接した

「もうすぐ1年だね、付き合って。なんか特別なことしたくない?」

「…うん」

でもどんどん元気がなくなっていく彼女にさすがに心配になった

「ゆいななんか元気ないよ。どうしたの?」

「…別れてほしい」

「え…?」

「なんか…カルマといるのしんどい」

「は?え、なんで急に…俺は別れたくない」

いきなりで俺もテンパった

彼女は俺と目を合わせない

何かあったに違いない

わかってたはずなのに声が出なくて

「もう好きじゃない」

彼女の痛みを俺は気づかないフリして目を瞑って

「そっか…じゃあ仕方ないね」

俺達は1年の交際に幕を閉じた
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