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あなたなら誰を選びますか

第5章 馴れ初め


〜過去回想〜

喧嘩とかゲームは好きだし

喧嘩なんて負けたことないから楽しかった

勉強も他の奴らよりもできるし

毎日が楽しくて仕方なかった

たまたま校舎で見つけた女子は退屈そうで生き苦しそうだった

そんな彼女に興味を持った

「ねぇねぇ何組?」

「…A」

「俺はD組、よろしくね西野ちゃん」

「なんで名前…」

「教科書に書いてあるじゃん」

「あ…そっか」

「俺は赤羽業ね」

その日から俺は暇さえあれば会いに行ったし

ゆいなから来ることもあった

そんなある日俺はゆいなに提案した

「ねぇ、一緒に逃げ出そうよ」

「え」

俺が窓から飛び出ると目を見開いてこっちをみてた

「高くないしほらおいでよ、楽しませてあげる」

なんでこんな面白い世界で楽しまないのか

俺は意味がわからなかった

俺が教えたくなった

「…むりだよ」

「できるよ、一歩勇気出すだけで全て変わるんだよ。人生楽しまなきゃ損でしょ」

両手を広げるとゆいなはゆっくり窓に手をかけた

「大丈夫、俺が支えてあげる。信じてみてよ、俺が嘘ついたら殺しても良いし」

その言葉に安心したのか

目を瞑りながら窓を飛び越えた

「おっ…と……」

ゆいなはゆっくり目を開ける

俺は笑ってゆいなの頬に手を当てた

「どう?ちゃんと支えたでしょ」

「うん、赤羽くんは嘘つかないんだね」

初めて笑顔を見た

ドキッとした

「西野ちゃん笑ってたほうがいいよ、かわいい」

すんっと真顔になる彼女が面白くて俺まで笑ってしまった

「褒めてんのになにそれww」

これを機に彼女との距離が一気に近くなった

「赤羽くん」

「んぅ…西野ちゃんか…ふぁぁ〜」

「こんなところで寝てたんだね」

「誰も来ないしねぇ…よくここがわかったね」

「髪の毛目立つし」

「あー染めようかな…」

「ダメ!」

初めてこんなに大きな声を出した彼女に驚いた

「あ…えっと……」

「なに?ゆっくりでいいよ聞かせて」

「…赤羽くんの…髪の毛好きだから……すぐに見つけ…られるし…染めてほしく…ない…」

頬をほんのり紅潮させる彼女の姿に思わず抱きしめてしまった

この衝動の名前に気づくのにはそう時間はかからなかった
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