第4章 文武両道
カルマside
昨日はゆいなが1人で勉強教えてたけど
ゆいなは“私1人じゃ無理だった”という顔をした
なるほどね
「侑くん達だよね?久しぶり」
「久しぶりやな」
「俺らも本気でやるから生半可の覚悟じゃついていけないよ」
ゆいなに会えるから引き受けたけど
やるからにはとことんやらせてもらうっていうか
あのテスト見たら断れない
俺は双子の肩をそっと叩いて
「今回はライバルとかそういうのは置いておいて仲良くしようね?」
「な、なんのつもりや…」
「俺らを脅そうとしとるんか…」
「むしろ同情してるから、この限られた時間で叩き込んでやるから人の善意無駄にすんなよってこと」
嘘ではない
教える側の気持ちも考えてほしい
赤点なんて取られたらたまったもんじゃない
俺が必ず基礎くらいは身につけさせてやるこのバカ達に
「今失礼なこと考えてた気がするんだけど」
「奇遇やな、俺もや」
「気のせいだよ、じゃあ今日の全体授業の講師を紹介するよ」
「全体?」
「俺らで一応時間割作ったんだよね、まず午前中にテスト範囲の授業を全員同じペースで進めていく、午後から個別で個人個人にあった勉強をさせる」
「午前講師は今日は浅野っていう奴がいるからそいつが担当」
「えっ1人で全教科って大丈夫なの?」
「そや!得意不得意あるやろ」
「浅野は大丈夫だよ」
「あいつ単独とか俺らよりは頭いいしな」
「カルマと同等くらいか?」
「いーや俺のが頭良いとは言い切れないな、浅野はいいライバルだよほんと相変わらずだけどね」
「浅野は努力することをやめたりしないもんね。文武両道ってこういうことだよね」
ゆいなに褒められる浅野にはムカついたから
ゆいなの頬を引っ張った
「俺を褒めろよ」
「いひゃい〜もう離してばか」
「はいはいじゃああとは浅野に任せよう、俺らは俺らで他にやることあるし」
浅野と入れ替わるように俺たちは教室から出た
午後の準備とかね
「体育ありなんてどうしたの?」
「あいつらには必要でしょ」
俺も考えてんだよばーか