第4章 文武両道
NOside
「ゆいなちゃん、寝ちゃったわ。君たちは部活後だけど寝なくて平気?」
「あ、はい、俺はもう少し起きておきます」
「無理しちゃダメよ、ちゃんと睡眠とらないと頭に入らないから
ねぇ、君たちが出会った時のゆいなちゃんってどんな感じ?」
「今とそう変わらんかったで」
「今のほうが明るいけどそう変わってはないよね」
「そっかぁそんな感じかぁ」
「何でそんなこと聞いたん?」
「ゆいなは元からこうなんやないんすか?」
「んー初めて会ったのは息子と付き合ってから少ししてからだったけど喜怒哀楽のはっきりしている優しい子だったよ」
「ほな今と変わってへんわ!」
「でもそのあとね、まぁ私は今日含めて4回くらいしか会ってないからよく知らないけど、最後に会ったゆいなちゃんは別人に変わってた、疲れた、いやもっとこう…無気力状態になってたかな」
「無気力って言えば角名やない?」
「角名くんとは違った無気力ね、絶望って言葉がよく似合う感じしてたなぁ」
今の彼女からは考えられない言葉だったので4人は驚きが隠せてなかった
それを見かねたカルマの母は語り出した
「ほらゆいなちゃんも息子もE組なの知ってる?」
「おん、同じクラスってのは聞いとったで」
「あの学校、去年までエンドのE組って言われてたの」
「エンド?」
「成績不良だったり素行不良の人、校則を破った人が学校中から差別される底辺学級のことよ」
「な、なんやそれ」
「ほとんどが成績不良で行くんだけどうちの息子は素行不良だったわね、たぶんゆいなちゃんは成績不良よ」
「ゆいなって頭ええんちゃうの?!」
「だってな!」
「言いたいことはわかるわよ、でもね事実よ、全て
たぶん勉強合宿の先生たちもみんなE組ね、みんなそれぞれの苦を乗り越えてきた人達よ。最初からできる人じゃないってこと忘れないでって…君たちスポーツ選手ならわかるでしょ。どんなにすごい人でも努力を怠らないことが強さの秘訣だって
初めから文武両道な人なんてどこにもいないわよ、文武両道な人はその分努力してきた人、それを頭に入れてから勉強しなさい」