第3章 四角関係
侑side
もっとゆっくりでええと思ってた
まだ1年生やし
でもゆいなは元カレもおったし
そいつは強力なライバルやし
俺やって別に恋したことないわけやない
ただサムと間違えられてすぐに冷めたの覚えとる
「はぁ」
「どうしたん?侑」
「おんそれが…ってゆいな!!それ…」
「ふふ、侑の真似してみた!」
「かわええ!!」
「それでどうしたのため息なんて」
「俺な、好きやつおんねん」
「えっ!いきなり恋バナ?」
「おん、悩み聞いてくれへん?」
「まぁいいけど…」
「俺が知っとる中で確実に2人はその子が好きなんよ」
「おおモテてるんだね、どんな子なの?」
「かわええ!」
「顔?性格?」
「全部やな!」
「侑がそこまで言うなんてすごくかわいいんだね」
いや自分やねん!…ってまあそういうところもかわええけど
「おん!俺のことちゃんと見てくれんねん」
「?みんな見てるでしょ、侑モテるじゃん」
「そーやなくて!!なんかこう…うまく言えんけど誰よりも俺をよく見てくれてるしな認めてくれるんや!サムと比べへんし…」
「そっか、よかったね素敵な人と出会えて」
やからそれは自分やねんからな
「せやねんけど…鈍感やねん。アピールしても気づかへんし、俺に振り向いてくれんねん、俺どうすればええ?」
「んーでもその子侑のこと好きに近いんじゃないかな?」
「え、なんで?」
「だって侑の事ちゃんと見てくれるんでしょ?わざわざ嫌いな人見ないと思うし、侑はそのままでいいよ」
「でも振り向いてもらいたいやん」
「でも今の侑、素の侑を好きになってくれる人じゃないとダメだと思う。それに侑自身を好きになってくれた方が嬉しくない?」
「自分は今の俺でええの?」
「うん!私は今の侑好きだよ、そのままでいてほしい」
こういうところに惚れたんやろな
ていうか自分やって気づかへんのかい!
本人に相談とか俺なにやってるんやろか
でも…
「また相談してもええ?」
「うん、私でいいならいつでも!」
元カレとかに負けたないし
別に甘えたってええやんな?
アピールチャンスやし
これで自覚してくれるかもしれへんし
できることはやりたいやんか
まだこれからやし!!
「覚悟しといてや」
「なにを?」
「なんでもや」