第9章 宮侑
それから少しして
「侑!!」
「お、なんやどうしたん?」
「できた!」
「ん?」
「できたの!!私たちの子ども!!」
「……」
子どもという言葉に動きを固めたと思ったらすぐに私を抱きしめてきた
「ほんまに?」
「ほんとだよ、ほらみて」
検査薬を見せるとまた嬉しそうに笑って
「これから体調とか悪なると思う、家事も今以上に手伝うし俺ができること何でもする、やから一緒にがんばろな」
「うん!!」
でもどうせ侑だし、プロバレーボール選手だし、忙しいだろうし、そんな手伝いなんて今以上なことできるわけないよなぁ侑料理下手そうだし
だから期待なんてはじめからしてなかった
だって期待して悲しくなるの嫌だし
だけどそれから侑は有言実行するように積極的になった
「育休いつとるん?」
「まだ働くよ」
「でも体心配や」
「大丈夫、大丈夫」
「俺がおらん間とかほんま不安になるやんか!!」
「もー心配性!!無理だなって思ったら育休取るから安心してよ」
「約束やからな?!」
「うん、だから侑は今日も試合頑張ってね!!」
「おん!あ、洗濯やるからゆいなは触ったらあかんで!!」
「えーじゃあ掃除しとくね」
「ダメや!それも俺がやる!ゆいなは飯だけ頼むわ」
料理は本当に苦手なようで私と一緒じゃないとやらないけど他のは全て手伝ってくれる
「あ!じゃあお風呂掃除だけお願い、お部屋のお掃除はやらせて。動かないと体に悪いしね?」
「…わかった、でも無理したらあかんで!!」
「はいはい」
ほんと過保護すぎるくらいだけど私には居心地がいい
私にはちょうどいいくらいあったかい人だった
だから安心してこれからを見れたのかもしれない