第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
だが、全く知らない場所で知らない人間の腕にいることに、はすっかり意識が覚醒し同時に這い上がった恐怖に顔を歪ませる
『ひっ..ゃ..!!...ぁぅ』
急いで腕から離れ逃げようと立ち上がるが、足に力が入らず体が崩れ落ちそうになる。すると長い腕が伸びて抱きとめられ、再びその体は彼の腕の中に収まった
?『ああ、急に立ち上がっていけません。手を貸しましょう。さあどうぞ』
共に座り込んだ青年は先に立ち上がると、腰をかがめ手を差し出した。状況も目の前の人間も全く分からないまま震える手を重ねゆっくりと立ち上がる
『..ぁ、あり、がと..』
?『御礼なんて。当然のことをしたまでですよ、素敵なお方』
手を離し軽く頭を下げる青年は、ただでさえも背の低いと並ぶと遥かに背が高く、細身であるにも関わらず妙な威圧感を放つ
?『他にも倒れているのは貴女のお知り合いでしょうか?』
グリム『ううーん..ここは..?』
ユウ『うあー...頭いったぁ』
『!ユウ、グリム』
振り向くと、ユウとグリムの他に先程まで共にいた面々の姿があり、全員意識を取り戻し始めていた
ようやく安心できる人たちの姿に安堵すると、すぐに体を起こしたユウへと抱きついた
ユウ『んぐっ!!な、なに..?あ、っ!良かった..怪我とかしてない?気分は悪くなってない?』
『大丈夫。ユウも怪我してない?』
ユウ『ちょっと頭痛いけど大丈夫だよ、ありがとう。グリムも先輩たちもみんな一緒みたいだね』
グリム『ふなぁ..目がしぱしぱするんだゾ』
『グリムも、良かった』
グリム『むぎゅ』
ユウ『....、グリムを抱っこしたままでいいから先輩たちの方に行こっか。会いたいでしょ?』
『ん』
グリムを嬉しそうに抱きしめるを微笑ましく見ていたユウだったが、視界の端にあの青年を捉えた瞬間に、の肩に手を置きさり気なく距離を取った