第27章 猫舌の君にはまだ早い《後編》◉天喰環※
「ひ、ひゃあ・・っ」
首元まで赤く染まった彼女が後ずさるようにソファに手を付く
固く結ばれた唇を少し舐めるとすぐに漏れ出た甘い息、差し込んだ舌先を彼女のそれと触れ合わせた
「ふぁ、あ」
「頭が、おかしくなりそうだ・・」
じゅる、そう音を立てて吸った柔い舌、羞恥の涙がじわりとその目に浮かぶと自身の呼吸が荒くなっていくのを感じて
取り繕える余裕など最初から持ち合わせていない、
このままでいい、押すんだ、彼女の葛藤や不安を吹き飛ばすくらいの温度で
「天喰く、ん、私まだ返事してな・・っ」
「いいんだ・・もう決めた、から」
服の中に這わせた手がレースの感触に辿り着く、首筋にいくつも口付けを落とすと彼女がふるふると首を振った
「ひ、っあん・・!」
「まだ全然・・食べ足り、ない」
肩紐を下ろしながら強引に貪った唇、押さえつけた小さな頭が驚きに震えている
くしゃりと掴んだ柔い髪の感触が、これ以上無いほど鼓動を加速させて
「んふっ、ぁ・・っ!」
滑り込ませた舌が彼女の口内を隅々まで犯していく、容赦なく奪った呼吸と必要以上に力を込めた手は君の戦意を喪失させる為だ
「こ、んなの、天喰くんじゃ、ない・・っ」
はぁはぁと肩で息をする彼女が今にも泣き出しそうな顔で声をあげる、確かにそうかもしれない、戦っている時とよく似ている、そんな事を考えながら赤く色付いた耳に声を注ぎ込んだ
「自分を省みる余裕すら、無いんだ」
「〜〜っ!」
気を抜いてしまうと彼女の乱れた姿に、その涙に、我に返ってしまうから
情けなく意気地のない己が震え出してしまう前に、何も分からなくなるくらいに、君に狂ってしまいたい
「好きだよ、めぐ」
「や、あ・・っ、そこ、だめ・・っ」
「誰にも渡さない、触れさせない」
淡い色に沈んでいく身体を掻き抱いて、はだけた衣服からその素肌を暴いていく
柔らかい布を捲るように滑らせた指先が白い脚を上へ上へと撫でて
「ひぁ、やだ・・っ、」
「嫌じゃないって、知ってる」
囁くと吐かれる熱い息、全てを食べてしまいたくて持ち上げた腿に唇を這わせると彼女が羞恥に震えた
あやふやにはさせない、逃がさない
ちゃんと示したいんだ、この強い気持ちを
「今から君を・・俺のものに、する」