第27章 猫舌の君にはまだ早い《後編》◉天喰環※
「小さいサンイーター・・!可愛い・・!」
鞄に付けて持ち歩くね、ぷにぷにと人形の頬を摘むその指があまりにも優しくて、居た堪れなくなった俺は自分の頬を押さえる
「そ、そんなに触られたら・・あ、ああ・・」
ぬいぐるみは抱き枕にしちゃおうかな、照れ臭そうに落とされた視線に心臓がばくばくと音を立てて
「俺が居る間は・・駄目だ・・」
熱い顔を伏せながら指先を絡め合わせると、彼女がぬいぐるみを抱き寄せ恥ずかしそうに唇を噛んだ
「来月の大阪、ファットさんに会えるのも楽しみ」
「一体何を言われるか・・不安しかない・・」
俺はキショくて大食いのストーカーだから・・、膝を抱えて呟くと彼女が思い切り吹き出して
目尻の涙を拭ったその指がつんつんと俺の頬を突いた
「そんな環くんが、大好き」
たまにびっくりしちゃうけどね、そう言って優しく頬に落とされた口付け、急激に上がる体温とともに顳顬のあたりがドクドクと鳴る
少しでもこの興奮を落ち着かせなければ、必死に冷静を繕って持ち上げたカップから漂う甘い香り、一口含むと果実のような風味が広がった
「この紅茶ね、海外のお土産らしくて、」
一緒に飲みたくて取っておいたの、また可愛い言葉を発したその唇、ああ今すぐ食べてしまいたい、いやまだ着いたばかりだ、先日の猛省を忘れたのか、
「・・氷入れると薄くなっちゃうかな、」
早く飲みたいなぁ、ふうふうと息を吹きかけた彼女が俺のカップを見つめて
「どんな味だった?いい匂い、」
ああやっぱり我慢できない、ぐいと引き寄せかぶり付いた唇、唾液を交わらせるように舌を絡ませる
「こんな、味」
真っ赤な顔をした彼女の呼吸が荒くなる、啄むように口付けを繰り返し柔い膨らみに触れると甘い声が耳に響いた
「ひ、やぁ・・ん・・っ」
「終わる頃には・・飲める温度になるから」
先に・・めぐを食べたい、弄った指先がその果実の先端に触れて
恥じらう腕を押さえて吸い付くとこの世の何よりも甘い蜜が下に溢れた
「いいって、言って」
「んぁあ・・っ、冷めすぎ、ちゃ、う」
なかなか離してくれないもん、ぐちゅぐちゅと響く水音、快感に抗う彼女がふるふると首を振る
ああ何て愛しいんだろう、確実に勝てる一瞬がすぐそこに訪れるのを感じながら、俺はきつく結ばれたその唇を舐め上げた
