第1章 ランウェイ☆パニック(レオヴィル)
レオナは自室に戻ると、痛む足に湿布を貼り
栄養ドリンクを喉に流し込みDXメンチカツサンドを平らげると
またベッドに横たわる
今朝のことがあったためラギーは気を使って部屋には来ず
そのまま午後の授業は全て欠席した
放課後になり、レオナは再びラギーに部活に顔を出せないと連絡を入れ、渋々ヴィルの部屋へ向かった
湿布と栄養ドリンクで、筋肉痛は幾らかマシになっている
「あら珍しい。アンタが自らアタシの部屋に来るなんて、明日は雨かしら?」
「うるせえ。どの道お前が騒ぐから来てやったんだ。有難く思え」
「無駄口を叩いてないで、さっさと始めましょ。もう時間がないんだから」
「…なんとか見れるレベルになったわね。及第点ってとこかしら」
今日もまたヴィルに扱かれ息が上がっているレオナをよそに、ヴィルは涼しい顔で前髪を整えている
「いい?明日は本番で集合時間が早いから朝6時に迎えに行くわ。それと今日は浮腫防止に夜食は禁止よ、いいわね?」
「わーったから、さっさと帰らせろ」
サバナクロー寮に戻ったレオナは、真っ先にシャワーを浴び
髪を洗っていつもより入念にトリートメントをした
いくらぐうたら王子と呼ばれようと、公の場に立つには
失礼がないようにと幼い頃から躾られているため
彼にとっては当たり前の行為だ
そして珍しく嫌々だがラギーが持ってきた食事の野菜も食べ、
ヴィルの言いつけ通り夜食は控えた
次の日の朝
相変わらず目覚ましが鳴っても起きる気配のないレオナの部屋に
身なりを整えたヴィルがやって来る
「もう!信じられない!!今日は本番だというのに身なりのひとつも整えていないなんて!」
「朝からうるせえよヴィル。身なりなんて、向こうで整えりゃ良いだろうが」
大きなあくびをするレオナの首根っこを掴み
鏡の間に引きずって行き、そのまま輝石の国のマジコレ会場へと向かう