第1章 ランウェイ☆パニック(レオヴィル)
中庭では既にテントが張られ
お抱えのコックが肉を焼いていた
さらにテーブルには色とりどりの果物や
世界の銘酒も並んでいる
執事の1人がヴィルたちにウェルカムドリンクを配り
ファレナとレオナにはシャンパンが入れられた
「ヴィル君、レオナをあんなに素晴らしい舞台に誘ってくれてありがとう。レオナの晴れの舞台を祝って、乾杯!」
「「「カンパ〜イ」」」
チン、とグラスを合わせ乾杯を済ませると
レオナは一気にシャンパンを飲み干した
そして、テーブルの皿に盛られていた林檎を手に取ると
皮も剥かずにそのまま齧り付く
肉が焼ける間、チェカがいかにレオナが素晴らしいかというプレゼンをし始めた
「レオナおじたんはね!優しくてかっこよくて僕大好きなんだぁ!ホリデーに帰ってくるとね、お勉強も見てくれるしご本も読んでくれるんだ。それでね、それでね…」
「…っす!俺もたまにレオナ先輩に勉強を見てもらうっすけど、凄く分かりやすく教えてくれるっす。」
ジャックとチェカはすっかり意気投合したようで
まるで兄弟のようにはしゃいでいる
広い庭で追いかけっこをしたり高い高いをしたり
とても微笑ましい光景であった
「チェカにジャック君、肉が焼けたぞ。…うむ、うまい。さあ、君たちも食べなさい」
ファレナの呼び掛けに、全員分の肉が配られ皆夢中で口に入れる。
「この肉、たんげめぇ!…あの、とても美味しい…です」
エペルが思わず素を出してしまうほどの上質な肉に舌鼓を打ち
終始にぎやかな様子でパーティは終了した
後日。
マジコレに出演したレオナをからかってやろうと部屋を訪れたラギーだったが
焼肉パーティの話で返り討ちにされ
「俺のタダ飯ーーー!!!」という声がレオナの部屋に木霊したのは言うまでもない。