第63章 柱合会議が開かれることになった
ほどなくして、しのぶちゃんがやって来たのと同じ方角から冨岡さんが姿を見せた。
「ここにいたか」
やっと見つけた、そんな口振りだった。
来てそうそう少し難しそうな表情を見せた冨岡さん。
何かあったのかもしれない。
「急いで本部に戻る。柱合会議が開かれることになった」
「!」
「桜も出るようにとのことだ」
「………………」
隊律違反のことで呼ばれたのだと、すぐに理解できた。
本来、柱合会議に出席することができるのは柱だけだ。
報告だけなら、冨岡さんとしのぶちゃんで十分だし、私までもとなると考えられる理由はそれしかなかった。
きっと、処罰される。
私は自分の意思で正しいことをしたと思っているから、やったことは後悔してない。
それは断言できる。
でも、もし鬼殺隊を辞めることになったら………そう思うと急に怖くなってしまった。
「不安か?」
「え……?」
考えが顔に出てしまっていたのか、冨岡さんが少し困ったような申し訳なさそうな顔をしていた。
「お前を巻き込んだこと悪かった」
冨岡さんは、こうなったのが自分のせいだと思ってるんだ。
柱の自分に逆らえずに私が従ってるんだと。
「謝らないでください。これは私の意思で動いたんです。私が禰豆子ちゃんたちを助けたかったんです。隊律違反も生半可な気持ちでしたわけではありません。だから、冨岡さんが私を巻き込んだと思うこともありません」
冨岡さんに自分を責めないでと伝えたかった。
私の意思で動いたことに、冨岡さんが負い目を感じることはないんだから。