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あなたがたった一度の恋でした【鬼滅の刃】

第50章 「十二鬼月が現れた」








「待たせたな」

「冨岡さん!」



お館様から任務を聞いたであろう冨岡さんとしのぶちゃんが出てきたので慌てて姿勢を正した。

しのぶちゃんは動きのおかしい私を見て怪訝な顔をしていたけど、冨岡さんのほうは鈍感で助かった。

私の奇行に気付いてなさそうだ。






「十二鬼月が現れた」

!?

(十二鬼月!!)



名前だけは聞いていた、鬼舞辻無惨直属の部下だ。

私は今までに出くわしたことが一度もない。

柱ですら滅多に出くわすことがないらしいから、それもそのはずだ。

噂に聞くだけの存在でありながら、とくに上弦の鬼の強さというものは震えるほどに恐ろしかった。

あの冨岡さんや煉獄さんのような柱三人に匹敵する力を持つという異次元の強さを持つ鬼。

もし、今回の十二鬼月が上弦だったらどうしよう。




「先に入った隊員たちはやられてしまったようです」

「………………」



下弦の鬼ですらどんな強さなのか皆目検討がつかないので初めての接触に胸騒ぎを覚えた。

それを助長するような、しのぶちゃんの話は私の不安をさらに煽った。



「桜」



顔を上げるとジッとこちらを見る冨岡さんと目があった。



「案ずるな。おまえには指一本触れさせない」

「冨岡さん………」



不思議だった。

もう大丈夫。

私、ちゃんとやれる、そんな気になれた。





それに、しのぶちゃんやカナヲちゃんの前で情けない姿なんて見せられない。



(後ろ向きに考えてる場合じゃない!)



なにがあっても、自分にできることをやり遂げるだけ。

だって傍に冨岡さんがついていてくれるから。






「では、桜さんの心も決まったようですし、参りましょうか」



しのぶちゃんの声で私たちは現地に向かった。





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