第6章 出会い頭の瞬き
「…で?こんなところで突っ立って、君たちいつになったら帰るワケ?」
…母さんも、おばさんも待ってるんだけど。
と、めちゃくちゃ不機嫌な月島が二人を探しにきた。
先に保護者ズ達と合流したものの、二人がなかなか来ないので回収係に任命されたとのことだった。
「強烈な先輩と美女に勧誘されてた…」
ぽつりとは報告すると力なく貰ったビラを掲げる。
「男子バレーボール部…ふーん。」
山口はまだ顔を赤くして項垂れている。それを見て何かあったな、と察した月島はボソッと呟いた。
「犯人探しはおいおいってことで…帰るよ」
月島はの頭をぐしゃっと撫でて、山口の腕を引っ張りまたズンズンと先に言ってしまう。
「待ってよ。ねぇ、けーくん!」
「…」
パタパタと追いかけてくるの足音を聞いて、付いてきていることを確認する。
「ねぇ、山口。ホント、しっかりしてよね…」
「ごめん、ツッキー」
「は、ぼーっとしてて何も分かってないんだから」
ちゃんと目を光らせておかないといけない。
ぽやぽやの幼馴染をどっかの誰かに掻っ攫われないように。
こっちは何年も待ってたんだ。
そんなこと許せないし、許す気もない。
月島は固く胸に誓ったのだった。