第4章 再び出会った僕たちは
山口忠side
母さんに言われて叫んだ時の話をしたら、ツッキーが不機嫌だ。
お酒でも煽るようにぐいっと麦茶を飲み干す。
何か話題…話題ぃ。…あ!そうだ!!
「ツッキー!ちゃんの部屋見る?」
「僕に人様の部屋を覗く趣味は無いけど」
「まだ部屋の主も帰国してないし、未使用だし!ちょっと僕と母さんの努力の成果見てみてよ!」
ぐいとツッキーを立ち上がらせると、背中を押して廊下へと誘導する。
隣の部屋のドアをさっと開けて、中を見せた。
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月島蛍side
「ふーん。ま、いいんじゃない?」
とだけ、言っておく。後大体は、いつも通り察してくれ山口。
部屋は家具は白にまとめられ、布団やカーテンは黄色を基調として差し色でソーダのような爽やかで柔らかい水色が使われている。
流石、おばさん。配色や家具のテイストのチョイスにこだわりを感じる。
女の子仕様ではあるものの、そのくどくない匙加減は流石と言ったところか。
…なぜ山口家に、とかイライラしてしまったが、にとっては山口家のほうが居心地はいいかもしれない。
多分、月島家の母は幾分不器用な人だから、このようなセンスや気遣いはできないかもしれない。
その部屋をほんの一目見ただけで、おばさんの本気が見て取れる。
… を本当の娘にする。その願望は案外本気なのかも知れない。
まあ、僕はそんなに簡単にはいかせないけどね。