第2章 ~天下人とて人なれば~
あまりに性急な触れ方にさすがについていけない。
けれど、止めろと言われて止める相手ではないのは十二分に知らされている。
案の定、制止の言葉は唇で塞がれ、体温を強引に上げられてしまう。
気付いたら浅く熱い呼吸でせわしなく胸が上下し、無意識に甘ったるい声が零れていた。
信長の触れるままに身体は乱れ、その様に信長も満足しつつ煽られ、己の熱を解放するために深く身体を繋げる。
腕にすっぽりと納まる夜長の身体を抱き締め、繋がりたがっている熱を蜜口にあてがう。
緩く擦りつけ、深く口づけながらゆっくりと埋める。
何度抱いてもきつく締め上げてくる内壁をじっくりと味わい、繊細な襞を思うままに擦り、知り尽くした場所を抉る。
その度に更に熱くぬるついた蜜壺がきゅうきゅうと締め付けて、まるでねだる様だ。
夜長は既に理性を手放しているのが分かる濡れた目で、細い指が縋る様に肩や腕に触れて来る。
唇を寄せれば無意識に近い仕草で応え、自分からも小さな熱い舌を絡ませてくる。
ここまで蕩けてしまえばもう自分以外を見ないし、考える事もない。
そのことに酷く満足する。
夜に放った精か、内側はいつも以上に温かく濡れていて、己の証が夜長の中に在るという事実に信長も頭に血が上がり、狂暴になった。
愛おしくかけがえの無い存在であると同時に嗜虐心を煽られる。
夜長を相手にすると、自分でも呆れる程に大人げない独占欲を掻き立てられるのは、いつからだっただろう。
—――全く、重症だな。
なけなしの理性が内心でため息を吐いていた。
好きな女を虐めるなど、まるで子供だ。
子供の頃ですらそんな下らない事はしなかったというのに。
信長は愛らしく喘ぐ夜長の頬や首に口づけ、頭を抱え込むように抱いて深く最奥を抉った。
夜長の身体が慄くのが分かる。
その強張りにさえ高揚し、何度も最奥を押す様に抉り、その際奥で熱を放った。