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【イケメン戦国】リクエストアンサー作品(仮)

第2章 ~天下人とて人なれば~


「俺以外の男が構い過ぎだ。傍にいくらでも女中や針子がいる状況だっただろう」
憮然と言う信長の言葉が分からない。
「構うと言いましても……何の話かわからな……」
言いかけた唇を塞がれる。
大きな手が夜長の細い顎を掴んで喰い散らかす様に最初から深く唇を暴いた。
唇も、舌も吐息も熱い。
少しの加減も無い口づけに舌が痺れるかと思う。
何度も絡めとられ、呼吸を求めて口を開けると甘い声が零れてしまう。
自分の声に恥ずかしくなるが、それすらも奪うかのように信長の口づけは終わらない。
角度を変えて深く口の中を舐め上げられ、舌の根が疼く程に刺激を与えられ、唇にすら鬱血痕を残してようやく唇が離れた。
夜長は既に呼吸が上がり、クッタリとしてしまっている。
けれど信長の呼吸は然程乱れておらず、ただ手の熱がやや上がり、赤みがかった目の煌めきが強まったように見える。
「何度も言わせるな。秀吉や家康と気安いのは構わんが、この肌に触れさせるな。あやつらも構い過ぎだが、貴様は隙があり過ぎる上に呑気過ぎる。あやつらに限らず他の男に俺の物を触れさせるな」
夜長はやや朦朧としかけた頭で信長の言葉を聞き、それでも内心首を傾げる。
秀吉の世話焼きは最初からだし、家康も天邪鬼ながら何のかんのと面倒見が良いのも今に始まった事ではない。
「……えっと、気を付けます」
口づけで蕩けてしまった頭を何とか整えて言う。
信長の真意はまだ分からない。
「そうしろ」
声色からも明確な物が汲み取れない。
「ですが……何かありましたか?」
やや慎重に尋ねると、信長が目を眇める。
「どういう意味だ?」
本当に夜長の問いの意味が分からないようだ。
「いつになく唐突に感じたので。何か心配やご迷惑をおかけしたのかと」
夜長の声に緊張があることに信長は小さく息を吐く。
今度はゆるりとした手つきで夜長の身体に腕を回し、背を優しく撫でた。
「貴様が怪我をしたという報せを受けて案じはしたが詳細も書いてあったからな。怪我その物がどうこうは然程深刻には思わなかった。迷惑でもない。貴様が何をしようと、その結果何が起ころうと些末な事。どうとでも片付ける」
「はい」
淡々と言うが、言葉にしながら自分の感情を整えてもいる。
夜長もおとなしく相槌を打つ。
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