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【刀剣乱舞】ラプラスの演算子

第11章 決戦前夜





◇◆◇――――――

 時刻は夕方に差しかかる頃。

 鶯丸は部屋で一人、スマホの画面を点灯させる。

 部屋の外では、短刀たちがきゃっきゃと洗濯物をとりこむ声がしていた。穏やかな喧騒があたりを包む中、くだんのアプリを起動すると、新着メッセージが1件通知されていた。メッセージが到着したのは30分前のようだ。

 ようやく頭痛が収まり、ディスプレイを苦しむことなく見られるようになった鶯丸は、迷わずメッセージをクリックした。

 教えられたとおりにクリックしていくと、テキストメッセージが表示される。



>>前田:こんにちは。見えますか?



 それは紛れもなく、前田からのメッセージだった。はやる気持ちをおさえ、慣れない手つきで文章を打ち込んでいく。

>問題なく見える。

 しばしして、すぐに返信がついた。

>>前田:良かったです。今、少し話せますか?

 了承の返信を即座に送る。

 直接会っているわけでもないのに、こんなふうにやりとりできることが不思議だった。



>>前田:山姥切さんの話を覚えていますか?
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