第8章 碧い瞳に魅入られた。
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「………はい、これでいいでしょ」
「ありがと」
医務室に無事に着いて
歌姫に絆創膏を貼ってもらった。
私が連絡先を交換する、と言ってからは
歌姫は五条の事を悪く言う事は無かった。
用は済んだし、さっさと戻ったら
片付けは終わっていて
五条が携帯を持って座って待っていた。
「残りありがと、助かったよ」
「いえいえ、早く連絡先教えて下さいよ」
「せっかちだなー。いいよ、これね」
「………………はい、空メール送りました」
「ありがと」
五条の連絡先を登録した。
今回だけの気の迷いかもしれないし
少し連絡したら終わりだろうな。
「あの………名前で呼んでもらえないすか?」
「え?なんで?」
「いや………名前で呼ばれたい……です」
不覚にもキュンとしてしまった。
この顔で言われたら誰だって
期待もしてしまうだろう。
「そう言って、私なんて遊びじゃないの?」
意地悪く聞いてしまった。
でもそんな事も気にしてないのか五条が続けた。
「俺本当に信用ねー!!!
つか、好きになったの雪奈さんが
初めてだからどう接していいのか分かんねえよ!」
大きな声でそんな事を言われた。
まだ周りに人もいて、一斉に皆がこちらを見る。
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