第8章 碧い瞳に魅入られた。
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思わず笑いが出てしまい、五条は怒る。
「なんで笑うんすか!?」
「いや、なんか笑えてきたわ」
「ちょ………やっぱりダメかー」
「いいよ絆創膏貼るから、とりあえず、手」
「あ」
今更になって握っている事が恥ずかしく
なったみたいで、顔が真っ赤だ。
本人も言ってたけど、初心だね。
「………残りお願いしていい?」
「いいっすよ!これくらいしか出来ねえし」
「うん、よろしく」
絆創膏を取りに向かおうとして
その場を離れたが、少し先にいた
歌姫と目があったが、とんでもない顔。
それも面白くてまた笑えてきた。
「雪奈!何笑ってるの!?」
「いや、可愛い顔が台無し」
「あのねえ………五条はお勧めしないって」
「うん、だから付き合わないけど
連絡先の交換だけしようかなって。
思ったよりも悪い子じゃなかったよ?」
「…………雪奈も物好きね」
「まあ、好かれてて悪い気はしないかな。
てかぼーっとしてるくらいなら一緒に
絆創膏取りに行くの付き合ってよ」
「はあ、いいわよ。さっさと行きましょう」
そう言って慣れない校舎を歩く。
医務室自体の場所は知っていたから
目的地に向かって2人で歩いた。
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