第8章 碧い瞳に魅入られた。
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歌姫が言うほど悪いやつでもないらしい。
口は悪いけど情に熱いと言うか。
「………連絡先の交換くらいなら良いよ」
「え、マジで!?」
「付き合いはまだしない」
「まだ、か。それでもいいか。
じゃあコレ終わらせたら交換して下さい」
「うん、いいよ」
意気揚々と皿を拭きあげる五条を見て
やっぱり歌姫が言うほど悪いやつじゃないかも
なんて思った。
少し微笑ましく見ていたら
皿を渡し損ねてしまい、1枚割れた。
「っあ、ごめんなさい!
片付けます………っ!」
大きいから大丈夫だろう、なんて思って
触った皿で運悪く指を切ってしまった。
こういう時、反転術式使えたら
さっと治せちゃうんだろうな。
絆創膏を取りにいこうとしたら
五条に手を握られる。
「………何?」
「いや、俺も出来るかなって、反転術式」
「もしかして出来たことないのに
やろうとしてる感じ?」
「そう」
凄い、クレイジーだ。
普通出来たことないのにやろうなんて
試みないでしょ。
指は少し痛いけど、笑えてくる。
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