第8章 碧い瞳に魅入られた。
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「いきなり告白だなんて大胆だね、悟」
「うるせー」
クスクスと笑う夏油。
こいつもなんだかイケすかなかいな。
歌姫がワナワナと口を動かす。
「あんた……雪奈には手出さないでよ?」
「歌姫には関係ねえじゃん」
「そんな事ない!
あんたがひどい奴だって分かってるんだから!」
「もしかして雪奈さんに振られたのって
マジで歌姫のせい?シバくぞ」
「え、振られたの?」
「だから言ってんじゃん。
傷口開かないでくんない?」
「てかなんで私は呼び捨てなのに
雪奈はさん付けなの?私もでしょ」
「いや、歌姫はいいかなって。
敬うに値しないっつーか」
「悟、それくらいにしないと
雪奈さんに嫌われるよ」
歌姫と五条の口喧嘩に割って入る夏油。
イケすかなく見えるだけ……?
いや、やっぱりイケすかないな。
ずっと見ていたからか
視線に気づいた夏油がコチラを見て微笑む。
「そんなに見られると照れますね」
「あ、ごめん」
「おい傑!雪奈さんと喋んな!」
「はいはい、先輩方。また今度」
ギャイギャイ叫ぶ五条を夏油が
引っ張って連れて行く。
嵐の様な時間だった。
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