第7章 君が私の煇。Ⅱ
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「てか、ここ、灰皿ないよ」
「あ、本当じゃん。雪奈持ってない?」
「無いよ、吸ってないもん」
「知ってる?夏油、たまに私がタバコ
あげると吸うんだよ」
「やっぱり硝子だったんだ!
たまに硝子が吸ってるタバコの香りが
すると思ってたんだよね」
「流石にお見通しかー。
………雪奈、夏油に飽きたら
私のところにおいでよ、匿ってあげるから」
「本当?じゃあ、その時は甘えようかな」
高専でいつも話していた親友。
もう二度と、こんな会話をする事はない。
やばい、目が潤む。
「……泣くなよ、離したくなくなる」
「硝子、カッコいいね」
「雪奈の前だけだよ」
一頻り話して、名残惜しくも別れた。
傑に言われていた買い物も済ませて家に戻る。
「「おかえりなさい!安比様!」」
「奈々ちゃん美々ちゃんただいま」
「おかえり、雪奈」
「ただいま傑」
買い物袋を奈々ちゃんが持ってくれた。
美々ちゃんは私に抱きつき甘えてくる。
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