第7章 君が私の煇。Ⅱ
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「おい!雪奈!ここから動くな!いいな!」
そう言って悟は走って行ってしまった。
と、言うより呪詛師は会ったら
殺さなきゃ行けないはずだけど。
こんな野放しにしちゃだめでしょ。
そう思いつつ、悟の言う事を聞いて
少し同じ場所で待っていた。
「………硝子」
「よー犯罪者、夏油にも聞いたんだけど
冤罪だったりする?冤罪だと嬉しいんだけど」
「……傑と一緒、冤罪じゃないよ」
「夏油が犯罪者は分かるけど
雪奈が犯罪者かー、実感ないなー」
「硝子は、バカだと思ってるんでしょ?」
「うん、バカだと思ってる。
思ってるけど、それ以上に相談して欲しかったかな。
悩んでたんでしょ、夏油と一緒に」
「……うん」
「まあ、やっちゃった事は元に戻せないし
せめて悔ない様に生きてよ。
私は流石に、親友に手は掛けられないし」
「……親友って、言ってくれるの?」
「当たり前じゃん」
「………二度と会わないかもしれないよ?」
「それは仕方ないんじゃ無い?
関わってるの知られたら殺さなきゃないし」
そう言って硝子はタバコを出す。
飄々と掴み所の無い話し方。
それでも分かる。
唯一無二の親友が言うんだもの。
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