第7章 君が私の煇。Ⅱ
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これで、全員。
傑の呪霊操縦とは違うけど
私も呪術で祓った呪霊を従える事が出来る。
ただ、呪霊で祓った呪霊は使う事が出来ないから
呪霊操縦者に比べて圧倒的に手数が違う。
やっぱり、傑は凄いな。
「………今更だけど、良かったのかい?」
「本当今更だね。人の皮を被った何かの
言葉なんて聞き取れなかった。
よく受け応え出来たね」
「フフ、君の耳にはもう人語が聞こえない
なんてね。猿共も不憫だね」
「猿、か。いいね、それ」
「………本当は私1人でやるつもりだった。
君まで猿共の血を浴びる事は無いからね。
それでも、君は私と共に歩んでくれるんだね」
「……うん、地獄まで一緒だよ、傑」
「勿論エスコートさせてもらうよ、お姫様」
「とにかく、あの2人を檻から出そう。
菜々子ちゃんと美々子ちゃんだって」
「おや、いつ名前を書いたんだい?」
「傑が猿と外に出た直ぐ後」
「フフ、なるほど」
2人を檻から出し、その村から直ぐ出た。
もう、呪術高専には戻れないな。
硝子には悪い事をしたな。
悟もきっと、カンカンに怒ってるだろうな。
でももう戻れないから。
傑と一緒なら、大丈夫。
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