第7章 君が私の煇。Ⅱ
.
あの話をしてから数日。
特にあの話に触れる事はなく日が過ぎた。
「どしたの、雪奈。
夏油となんかあった?別れた?」
「別れてないよ……なんで?」
「んー、最近気まずそうだから」
「違うけど………色々考え事」
「私には言えない事?」
「………うん、ごめんね硝子」
「はあ、悩むのも程々にしろよ?
悩んだっていいことなんてないから」
「そうだね……ありがとう」
硝子は分かってて聞いてこない。
そんな話をしてると廊下からバタバタと
大きな音が聞こえてきて教室の前で
止まったと思いきや、思い切り扉が開いた。
「五条さん!来ていただけますか!?
緊急事態なんです!」
補助監督員さんが血相を変えて
悟に声を掛けた。
話を聞いた所、
2級呪霊の討伐任務にイレギュラーが
発生、1級呪霊が出てきたようだ。
あれ、今日の任務って。
「……灰原と七海、無事ですか?」
聞かずにはいられなかった。
補助監督員は苦い顔をして口を開く。
「七海さんは、怪我を負いましたが
大丈夫です。灰原さんは………」
その言葉で全てが崩れた気がした。
.