第6章 私はマリオネット。
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大きい溜息が聞こえた。
溜息の主は真希、そして憂太を
メガネ越しから鋭い目で見ていた。
「真希さん、流石にそこまで露骨に
態度に出されちゃうと僕も怒りそうだよ」
「ああ怒れよ。
こんな事言いたく無かったけどさ。
"リカ"も縛って、雪奈も縛るのか?」
「……言っていい事と悪い事が
あると思うんだけど、どう言う意味?」
「そのままの意味だよ。
どんだけ女の事縛るんだよ、情けねえ」
「真希!!!」
聞いていられなくて声を上げた。
パンダと棘も少し安堵の表情になっている。
居心地が悪そうに憂太は教室から出て行った。
真希も虫の居所が悪い様で睨んでくる。
「雪奈、何で止めた?」
「私のせいで真希と憂太が仲悪くなって
欲しくないし……私達の、問題、だし」
「—————はいはい。
余計な事しましたね!勝手にやってろよ!」
真希はそう言うと荷物をまとめて
ぶっきらぼうに扉を閉めて出て行った。
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