第4章 私がいるでしょう。
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「……五条さん、今日はお引き取りを」
七海と五条さんがバチバチしてて怖い。
私は怖すぎて冷や汗が止まらないし
灰原は不思議そうな顔をしてるし
夏油さんは堪えきれなかったのか凄く
清々しい笑い方をしている。
五条さんは大きなため息をついていた。
「あーもーめんどくせえ。傑、帰ろうぜ」
「…クク、もういいのかい?」
「笑ってんじゃねえよ、今何したって
俺ダサすぎるでしょ。出直すわ」
「しばらく来て頂かなくて結構です」
「七海うっせえよ!」
「雪奈、七海に灰原、すまないね。
私達は帰らせてもらうよ」
「夏油さん!五条さん!お疲れ様です!」
「さようなら…」
「…………………」
先輩達を見届けたけど、七海がそっぽ向いてる。
こんな七海、初めて見た。
「え、っと、七海「………でしょう」」
「え?なんて?」
「貴女が好きなのは私でしょう?
いくら先輩でも、ちゃんと断って下さい」
「………え?」
「貴女はもう少し、自分が素敵な女性であると
自覚して下さい。見ててヒヤヒヤする」
「あの、七海さん…」
「大体「七海!!!」」
灰原の声が七海の言葉を遮った。
はっとした顔で七海が私と灰原の顔を見た。
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