第3章 犬、時々虎。
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「————、と言う訳です」
「ふーん、やるじゃん虎杖」
「まさか…雪奈ならまだしも
虎杖に先を越されるなんて…虎杖に恋人…」
「野薔薇も恋人出来るだろ、まーとにかく
雪奈、お幸せにな」
「真希さーん!ありがとうございますー!
野薔薇もありがとうー!」
「でもまさか虎杖の事が気になってたなんて
私一緒にいるのに気づかなかったわよ」
「私もそんなに凄い好き〜って訳でも
無かったんだけどね、なんか、いい空気で…」
今日も組み手だから頑張らないとなのに
すっかり女子会をしてしまった。
「はいはいはーい、お嬢さん方。
今、授業。お分かり?」
「五条、雪奈と虎杖付き合ったってよ」
「何故バラす!?」
「え〜♡何々〜?
凄い楽しい話じゃ〜ん♡僕も混ぜてよ〜♡」
「教師の立場どこいったんだ?」
「いいんじゃないの?雪奈も悠仁も
守るモノがあるヤツは強くなるよ」
「五条先生はあるんですか?」
「僕はモチロン皆だよん♡」
「はいはい、野薔薇、雪奈、やんぞ」
「ホーント皆冷たいよね!悲しい!」
昨日よりも、心が浮ついてる。
今日だけは許して欲しいな、なんて
思いながら真希さんの組み手の挑戦を受けた。
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