第3章 犬、時々虎。
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「……っあー、ゴメン、緊張しすぎて
手汗ヤバいかも…嫌なら言ってね」
「………嫌じゃないって」
「順番アレかもしれないんだけどさ
俺、雪奈が女の子として好き、です。
映画みたいな感じの恋愛は出来ねえけど
良かったら付き合ってください」
虎杖に言われた通り、手汗が凄い。
でも正直、どちらのかはわからなかった。
まさか今、告白されるなんて思わないよ。
コンビニの前だよ?
そう思っても赤らんだ頬、握られた手、
あとは映画中にみた、この顔。
断れる訳がない。
「………不束者ですが、宜しくお願いします」
「……え、マジで?本当に?」
「私も虎杖の事、気になってはいた」
「っあー!めっちゃ嬉しい!」
その気持ちを体現するかの様に
私の事を抱きしめる。
凄い、犬っぽい。
言ったら怒られそうだから言わない。
でもやばい、犬っぽい。
「……虎杖、かわいい」
気づいたら思っていた言葉が出た。
虎杖は目を丸くしてたけど
すぐにはにかむ。その顔がかわいいのに。
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