第3章 犬、時々虎。
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「よし、そしたらさ。
ご飯食べれそう?食べれそうならどっか
寄って食べてから帰ろうよ」
「あ……ごめん、ポップコーン食べて
スプライト飲んだからそこまで……」
「だよね!
思ったよりポップコーン多かったし
元々雪奈少食だったよね?
そしたらコンビニだけ寄らせて」
「うん、いいけど」
私が少食って、なんで知ってるんだろう。
野薔薇となら良くご飯を食べに行くけど
4人で集まる時はまずご飯屋に行かない。
そんなにあからさまに食べる量少ないっけ?
なんかそれも申し訳なくなってきたな。
「雪奈ー、行こーよ!」
「あ、うん」
「………はい」
「?」
「………手ェ、繋いでもいい…すか」
「!?」
目の前に見たことがない虎杖がいる。
顔が真っ赤。なんだか可愛い。
でもなに、どう言う状況コレ、いや、
手を繋ぐのは全然いいし嬉しいし。
さっきの映画に感化されすぎでは?
「ふふふ、いいけど、映画の真似?」
「真似じゃねーよ!…いや、少しあるけど。
え、てか、いいの?手」
「いいよ、私ので良ければ」
やっぱり、と言うか当たり前なんだけど。
虎杖の手は大きい。
男女の体格差を抜きにしても大きい方だと思う。
私の手は小さい方ではないけど。
こういう所も、心臓に悪い。
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