第2章 最強なんて要らない。
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「行きたい所、は、無いかも」
「えー!残念!
正直どこって言われても余裕なんだけどな!」
「………一緒に、いたい」
「可愛い事言ってくれるね。
どうしたの?本当に寂しかった?」
「不安に、なる」
「大丈夫、僕最強だから。
雪奈が心配してる事にはならないよ」
「でも、それでも「雪奈」」
久しぶりに昂って、感情的になってしまった。
悟が私を優しく抱きしめながらゆっくりと
私の内に響く様に話す。
「いつも不安にさせてごめんね?
でも本当に大丈夫、心配しないでって
言ったらウソになるけど。
心配して欲しいし?
大体、こんな可愛い奥さん残して
自分だけ死ねるわけないでしょ」
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