第2章 最強なんて要らない。
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「おかえり、悟」
「ただいま〜!寂しかった?
僕は寂しかったよ〜、はい、ハグ」
そう言って、愛しい人は両腕を広げた。
今日も、無事に帰ってきた。
私は 非術師 だ。
元々容姿が人よりは優れていたらしく
それに呪われ、数年前に悟に助けられた。
その時の影響で、呪いが見える。
人に見えない物が見える恐怖。
おちおち外にも1人では出れなくなってしまった。
「ねえねえ雪奈、明日僕お休みなんだ。
久しぶりに外に出ないかい?
好きな所に連れてってあげるし、いつも通り
ちゃんと呪いからも守ってあげるからさ♡」
「え、………いいの?」
「もちろん。
僕の可愛い奥さんを見せびらかしたいしね」
悟は呪術師で、最強と呼ばれているらしい。
日本に4人しかいない特級とかってのの1人だとか。
正直、よく分からないし
いつ命を落とすか分からないから
私はその世界から離れて欲しいと思ってる。
でも彼の家はその御三家の1つで。
彼が駄々をこねなければ付き合う事も
ましてや結婚も無理だった。
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