【Bプロ】Wrapped in love【金城剛士】
第4章 4
「はっ、ご…し、くん。…っ」
「さん……」
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キッチンで腰が砕けたわたしをベッドまで剛士くんが運んで、また何度もキスをした。ただキスをした。唇がじんじんと腫れて赤くなるまで甘噛みされたし、口の中の弱い所を舌で何度も擽られて、いつの間にか剛士くんの手をギュッと握って、ひとつになってるみたいだった。ずっとくっついていたいのに、剛士くんは自分のタイミングで離れた。
「さん。好きだ。」
「うん……」
それだけ言うと、剛士くんは寝室から出ていった。
わたしはそのまま目を閉じた。
色々考えたくなかった。
ただ余韻に浸っていた。
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眠ってしまい、目が覚めると剛士くんが洗い物をしていた。
わたしは夕方まで寝たらしい。
帝人はメンテナンスが終わると、わたしが寝ていることを知って、疲れているのならとすぐ帰ったそうだ。
また借りを作ってしまった。ちくしょう。
「さん、さっきは…」
「さっきはごめんね。」
何か言いかけた剛士くんを遮って、話し始めた。
「今度の仕事で出張が入ったから、明日からここを留守にする。剛士くん、しばらくアシスタント業務お休みしていいよ。」
「は…?」
「ごめん、決まってたけど、言うの忘れてたんだ。大きな野外フェスの手伝いに呼ばれてさ。」
わたしの言葉に目を丸くしていた剛士くんは、きっとこちらを見据えて言った。
「俺も行く。」
「そう言うと思ったけど、剛士くん、今週金曜日Nステでしょ。生放送だから収録のように前倒し出来ないし。フェスは土曜日朝イチからだから間に合わないよ。」
「……っ。わかった。」
本当は、暑いしダルい野外フェスの手伝いなんて、とっくに断るつもりでいた。でも昨日のがあったから、このまま近くにいるのはまずいのではないか。そう思ってしまった。
ああ、剛士くんの頭に大型犬のような立派な耳が、しょんぼり垂れているのが見えるようだ。
「いつもありがとうね。今日は荷造りするからもう帰って。」
問答無用で追い出したのだった。