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【Bプロ】Wrapped in love【金城剛士】

第4章 4


帝人が持ってきたお土産はりんごが入ったパイだった。
コーヒーに合うなと思いながらぽりぽり食べている。

「なんと…!同じ席でコーヒーを飲む姿が映ますねぇ!ふたりはまるでオシドリ夫婦!これは熱愛スクープですか?それとも電撃結婚ですか?!」
「うるせーなおい」

わたしを挟んで剛士くんがからかわれている。

「ちゃんと夜叉丸さんにも了承取ってるし、アシだから。」

このままじゃ喧嘩になりそうだったので、仲裁した。
まったく、人の家でこいつらは。

「そうですか。金さんの音楽性が磨かれるのはB-projectにとってプラスですから、夜叉丸さんもゴーサイン出したのでしょう。」

意味深な笑みを私に向けてきた帝人に、舌を出して応えてやった。
そんな私を見て帝人はクスッと優雅に笑った。
そんな私たちを面白くなさそうに見る剛士くん。そーゆーとこがからかいがいあるって思われるんじゃないの?

「さて、この間のソフトの稼動具合とセキュリティのメンテナンスをさせてもらいますよ。」

帝人は満足したらしく、レコーディングルームへ向かった。わたしはキッチンにコーヒー持って一服しに行く。すると珍しく剛士くんがついてきた。

「どしたの。いつもは煙たがって来ないでしょう。」

そう言ってタバコに火をつけた。
剛士くんは煙を嫌がるように手で煙を払い片目を瞑った。

「あいつが家にいて、落ち着かねえ。」
「外に出てきてもいいよ?」

剛士くんは思いっきり顔を顰めた。
私の言葉は不正解だったらしい。

「そうじゃない。」
「ふーん。」

すうっと煙を吸うと、肺に煙が拡がって、血液にニコチンが回って、一瞬で冷静になれる。この瞬間が大好き。なのに。

なんだか曖昧な態度にイライラした。

「はっきり言ってよ。」

剛士くんは、表情を変えぬまま、私の両頬をガシッと掴み、かぶりつくように私の唇を奪った。

「!?」

驚く私をよそに、何度も、何度も噛まれる唇。痛くて開けた口の中にねじ込まれた舌は歯列をなぞり、舌の裏をイタズラに擽る。

翻弄されている間に、持っていたタバコを盗られ、火を消された。

激しいキスに溺れ、いつの間にか夢中でお互いを求めていた。
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