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【Bプロ】Wrapped in love【金城剛士】

第3章 3


「さんの作る音楽が好きだから、ここでもっと音楽を勉強したい。アシスタントにさせてください。」

剛士くんが頭を下げた。わたしは即答していた。

「うん。いいよ。」
「ありがとうございます。」
「借りもあるし、剛士くんは見込みあるから。」

にっこり笑ってそう告げた。

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夜叉丸さんには報告してきたらしい。
わたしからも一応メッセージを送っておいた。
アシスタントなんて取るの初めてだからどうしたらいいのかわからないけど、なるようになるだろう。
あまり先のことを考えたくないわたしは未来の自分に丸投げしてビールを開けた。

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それからというもの、剛士くんはオフの日や半休のたびに家に来た。頻度としては週に1~2回くらい。編集があるときはイヤホンしないでアンプに音源を繋ぎ、一緒に音を聞いて自分の作業を見学させた。
とくに仕事が詰まってない時は、家のことを一緒にやったりした。正直めちゃくちゃ助かる。
そんな感じであっという間にひと月がすぎたある日、チャイムが鳴ってアイツがやってきた。

「は?なんで釈村が来るんだよ?」

剛士くん、怒ってる。

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「さん、久しぶりです。最近大学の研究で地方に行ってきたのでお土産です。」

帝人は怒った剛士くんを慣れたように無視してわたしに話しかけた。
そういえば、おなじB-projectなんだっけ。あの日、帝人のステージは打ち合わせで見られなかったなぁ。片付けの時、花弁をめちゃくちゃ拾ったのをよく覚えてるけど。

「うん。ありがとう、帝人。」
「おや?今日はご機嫌なんですね。珍しい。」
「お前ら、俺を無視すんな。」
「無視してない。」

剛士くんをあしらいながら人数分のコーヒーを机に置いた。
熱々のコーヒーを口にして帝人は花が咲くように微笑んだ。

「うん。さんのコーヒーはいつも美味しい。」
「いつも…?!」
「帝人。わざとでしょう。相変わらず趣味悪い。やめてよね。」

剛士くんがすかさず反応したが、面白がっているのがさすがに分かったので止めた。
なんなのこの人達。同じチームなんじゃないの?
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