第9章 ifの話(PandoraHearts/エリオット)
「そう考えると、バルマ公がなさったのも理解出来ますね。本当にバルマ公はを大切に思ってらっしゃいましたから。」
ずっとバルマ公に使えているレイムはそのことをよくわかっているのだろう、優しく目を細めてレイムは言う。
「それで、はどうするんだ?」
あまり時間がないぞ、と少し眉をひそめるギル。
それに対し、そうですね、とレイムも賛同し、へ目を向けた。
「……私のチェインで、エリオットの体の時間を管理します。」
「時間を………?」
今までは何も言わずにオズ達の様子を伺っていたエリオットが、そこまでは知らなかったのだろう、首を傾げて聞き返す。
「のチェインって……[時計ウサギ(クローク・ラビット)]でか?」
「ええ。私のチェインはあらゆるものの時間を司る。だから、エリオットが重傷を負った時間を盗み、体の時間をあの一連のことがなかったように改めて流すのよ。私がいつも戦闘でやっているようにね。」
確かに、戦闘時のは[時計ウサギ]で相手の攻撃の時間を盗み、攻撃を殺す。
しかしそれは攻撃が当たる前だからこそ連発出来ているのであり、今まで受けた傷の時間を盗むなどやっていない。
そのうえ今回は死に至るほどの傷である。
蘇生という、禁忌に近いことをやることに、以外はいまだ納得のいかないようだった。
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