第7章 すれ違い(BLEACH/日番谷)
一方、はというと...
「ふう………」
深くため息をつき、十番隊の隊花である水仙が咲き乱れる丘でうずくまっていた。
いつも以上に感情が読めない瞳で、どこを見るでもなくゆらゆらと目の前の空間を見つめる。
と、そんな彼女の耳に、さくっさくっと草を踏みしめる音が。
後ろを見るまでもなく霊圧からして…
「何してんだ、。」
冬獅郎だ。
彼はそのまま歩みを止めることなくに近づき、彼女の横に座り込む。
「…何?」
泣きそうなのを悟られないように、わざと強く言い放つ。
残念ながらそんなことはバレバレなのだが、冬獅郎は気づかないふりをして低音の声で淡々と答える。
「お前に言っておきたいことがあってな。」
「……」
「、俺の女にならねえか?」
冬獅郎の言葉に、の肩がぴく、と反応する。
だが必死に平静を装ったまま。
「乱菊さんに頼まれでもしたの?」
「そんなことするかよ。」
は全く信じる気がないよう。
さっきから一切顔をあげようとしない彼女に、冬獅郎は小さく嘆息し、優しく彼女の後頭部を支えてこっちを向かせ。
―彼女にふと口づけた。
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