第7章 すれ違い(BLEACH/日番谷)
「ななな何言ってんですか、乱菊さん……?」
「あら?違うの?貴女見てたらてっきり隊長のこと好きなのかと………」
必死で動揺を隠さんとするに、いいとこを突いてやったとばかしに顔を歪ませ笑う乱菊。
いやだなあ、と苦笑いするを、乱菊がどんどん追い詰める。
「うーん……でもあんた見てたら好きなようにしか見えないけどねえ…?ただの幼なじみに対する視線じゃないっていうか?」
ふふっ、と時折の顔を窺いつつも続ける乱菊。
するとめっきり黙っていたがふと何かを呟いた。
「………んです。」
「え?」
「冬獅郎には桃ちゃんがいるんです。あの二人の間にはたとえ私でも入れない。」
真顔でそう呟くと、正面に向き直り、もう一度乱菊を引きずりながら歩き出した。
その様子に「あらら。重症だわね。」なんて流暢に思う乱菊だったが、ふと彼女を手伝ってやろうという老婆心が現れてきた。
可愛いのためだもの。一役買ってあげなくてはね。
さながら恋する妹を見守る姉の心境。
乱菊は引きずられるのを自分で止め、の前に立って彼女と向かい合う。
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