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BRAVE You’re HERO【東リべ】

第62章 これからも家族3人で幸せに(❤︎)



「素性も分からない奴の愛を受け入れろって?冗談じゃない。それこそ気持ち悪い。」



「…気持ち悪い?」



「君だけは絶対に許せない。よくも私から大切な人を奪ったな…っ!!」



綺麗な紫色の瞳が憎しみで染まっていく。ふつふつと湧き上がる怒りと憎悪。すぐにでも目の前の男に復讐してやりたい。そんな気持ちが心を支配する。



「(落ち着け。ダメだ。冷静になれ。私の感情で今日を台無しにするわけにはいかない。せっかく海凪ちゃんが綺麗にしてくれたのに怖い顔はダメ。コイツにキレることが時間の無駄だ。)」



必死に自分に言い聞かせると、少しずつ落ち着きを取り戻す。ギュッと握り締めた拳を胸の前に持ってくる。



「俺の愛を受け入れないなんて不幸になるのと同じだ。アイツと幸せになるって言うなら…君を殺して俺も死ぬ──!!」



フードの男はナイフを振り上げた。この格好じゃなければ背負い投げや蹴り飛ばすくらいのことはできる。でもウェディングドレスを着ている今、それが出来なくて判断に困った。



「(万次郎くん──!!)」



ドカッ!!



「ぐあぁ…っ!!」



ギュッと目を瞑った時、聞こえてきたのは何かを蹴った音と男の痛々しい悲鳴だった。



「…何してんだテメェ」



「万次郎くん!」



聞き慣れた声に目を開けると、タキシード姿のマイキーが自分を庇うように立っていた。



マイキーの強烈な蹴りによって、激しく吹っ飛んだ男は壁に激突し、痛みで起き上がれないでいる。



「怪我ねぇか?カノ。」



「はい。万次郎くんが助けてくれたのでどこも怪我してません」



「怖かったよな。気付くのが遅くなって悪い。間に合ってよかった。」



マイキーはカノの頬に手を当てる。そしてブチ切れ顔でフードの男を鋭く睨む。



「で…誰だよテメェ」



「いってぇ…」



「オレのヨメ殺そうなんていい度胸してんな。もしコイツが死ぬようなことがあれば、オレがテメェの顔を陥没するまで殴り殺してたわ」



決して冗談を言っていないことは、体にビリビリと伝わる殺気で分かった。ここまで気迫と威圧感で相手を怯えさせることができるのは流石が元総長といったところだ。



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