第2章 はじまり
「今日は~んーっ‥」
タンスを開け、何を着るか模索していると
『一昨日は牡丹に深紅だった』
「へっ?」
と閉じられた襖をみる
『その前は百合に瑠璃色』
なぜ銀色の人は知ってるんだろうと不思議に思いながら
「昨日は?」
『昨日は‥その‥』
襖の向こうでごにょごにょしていて聞き取りにくい
少し襖に近づき
「昨日は何着てた?」
『‥‥‥』
銀色の人は更にごにょごにょ言っていて、閉ざされた襖で聞こえにくい
「昨日は‥なーんでーすかーっっっ」
と襖を勢いよく開けると
「!」
目の前に銀色の人の顔
『!』
互いに目線が近距離になり、いたたまれなくなったのか
『だーっ!昨日は朝顔に桃色っ!だけど!昨日は俺とずっといたから生まれたてのっ!』
「生まれたての?」
生まれたて?
目線を反らし、顔を真っ赤にし、顔を背けながら
『生まれたての‥その‥‥お互い何も着てねーよ‥』
「へっ?」
まさかの発言に固まってしまう